悪魔な秘密の巫女男子

「で?ニノさん今日は水攻めですか?
 そんなことしなくても、ふつーになんてことない
 ブレスレットですよ?」

ひょい、と僕はブレスレットを取り出して
そのまま手首につける。

はぁ。とニノさんは
ため息をついてからメガネをかけなおした。

「だから、それはアサヒ君にとっては
 普通のブレスレットですけどね。」

「ははは。もぉ、アサヒほっとけよ。
 『術師』の プライドが騒ぐんだろ。なぁ?ニノ」
「うるさいですよ。イチノさん。」



「おー、今日も元気だなぁ。
 ほれ、今日はここだ。」

ガチャリと
課長が入ってくる。
相変わらずの 無精ひげ。

相変わらずの黒スーツの三人だが
僕だけ、動きやすいTシャツにジーンズ。


今やってるのは、「アサヒが本当に引き寄せてるんだったら餌にしよう」
作戦だ。

つまり、
ちょっと『黒い気』が
ある街にいって、僕が徘徊する。

すると、
黒い気がいい感じにまとまって現れる。
そこを『消滅』とか『清滅』とか言ってたかな?
それをすると
アーラ不思議。

綺麗になりました。

ってやつだ。


本当に 僕に この黒い気が集まっているのか
自分自身半信半疑だったが、

効果はばっちり。
僕は餌として 十分らしい。


今日は 山間の町に出向くらしい。

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