悪魔な秘密の巫女男子


ここは、王宮。

王への謁見の間までの廊下。

宰相がしばらくお待ちくださいと、扉の前で僕は待たされていた。






呼び出されたから 夜になるのを待ってきたんだが・・・


廊下に入る前に
水の守護師は この、宰相さんに「あなたは呼ばれておりませんので」
ってあっさり返しやがったんだよな。


もう、不安が募る。



すんごい 帰りたい。





というか、この宰相の銀色のふさふさしたしっぽと
長い髪とか 頭にのったピンとした耳を
ぼーっと見てたから 久しぶりに、『ギンタ』のことを思い出したんだよな。


もう、ばぁちゃんもギンタもなくなってから
3年なんだけどね。

懐かしいな。





「あの、水の巫女・・・その」

「?なにか?」

「あまり、見ないで・・・いただきたい。」

「す、すいません。」


やばい、見すぎた?
宰相様(たぶん 偉い人なんだろ?)相手に、
ぼーっと見すぎた?


ってか、この人は 犬っていうか キツネっぽい。
あ、そうか キツネの妖怪とかいるからな。
お稲荷さんとか・・・

あ。てか 妖怪っていう 概念が この世界にあるのかなぁ。


< 91 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop