姫と王子の物語
第一幕
むかーし昔、それはそれは可愛いお姫様がおりました。
お姫様は大きなお城に住んでいて、美味な食事、メイド達に囲まれて毎日とても充実した暮らしをしてました。
しかしある時、城にやってきたとてもとても美人な客人、西の魔女は外の世界に憧れていたお姫様に外の世界に出してやろうと嘘をついて西の魔女代々に伝わる[紅血水]を飲ませました。[紅血水]を飲んだお姫様は意識を失い、誰にも見つからないような場所に置き去りにされました。
そして西の魔女は、城に火を放ちました。
城の人は煙の香りにすぐ気付き、一斉に逃げだしました。しかし、大変です、気を失ったお姫様が、まだ城に残っています。この事態を知った姫に恋心を抱いている隣国の王子は、少しでも早く姫を助けたい為、軍を沢山連れ、相棒の白馬に乗って、姫の元へ行きました。
それを見て嫉妬した西の魔女は王子達を焼き殺してしまいました。西の魔女は王子に恋していたのです。
王子軍で、たった一人生き残った者がいます。生き残った者は、国には戻らず、姫の元へ走っていったのです。王子が死ぬ直前に、姫への恋文を受け取ったのです。
生き残った者は、姫のいる城へつき、炎に包まれた城の中、死ぬ勢いで姫を探しました。なんと姫は、倉庫で紐で縛られて意識を失っていたのです。急いで紐をほどいた生き残った者は姫を大切に腕の中に包み、城から抜け出しました。
奇跡的に、姫の心臓は動いてました。ほっとした生き残った者は意識を取り戻した姫に王子が書いた恋文を渡しました。姫は泣きだしました。
自分のせいで王子が死んだと思った姫は、生き残った者の腰に掛かってる剣を自分の胸に突き刺しました。そして、お姫様から流れた血からアネモネの花が咲きました。

「愛し君へ この文を届ける・・・」
< 1 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop