私んちの婚約者
*
梓、すーぱーピンチです。
えーと。
なんなの?この状況は。
「高宮さん。僕たちみんな、君のファンなんだ」
え~と。
ファンて、つまり私に好意を持っているということよね?
「アンタらは好きな相手を取り囲んで、集団で迫るわけ?」
残り少ない授業を真面目に受けに来たってのに。
なぜか私は知らない男子達に呼び止められて、裏庭で囲まれていた。
6〜7人はいるんじゃなかろうか。
いつもならここも人通りが全く無いわけじゃないんだけど、こんな人数で壁を作られていたら、私がここに居るとは気付かないかもしれない。
う~ん。
どうしたもんか。
私はさりげなくバッグの中を探って、愁也が無理矢理持たせた“御守り”を掴む。
スタンガンに催涙スプレー、防犯ブザー。何故か虫除けスプレー。
各種取り揃えてますが。
「……ホントに海外暮らし舐めんなよ」
とりあえず最初に仕掛けてきたやつに、電撃をお見舞いしちゃる。
ぐ、と掴んだ手をバッグから出そうとしたら、後ろにいた男に腕を掴まれた。
「梓ちゃんの攻撃力の高さは有名だからね」
「は~な~せ~!!」
しまった!!
そしてあんたは誰よ!?
知らない男に“梓ちゃん”呼ばわりされる筋合いは無い!
振り返ろうとした私は、その瞬間にお腹に鋭い痛みを感じた。
「……っ!!」
こいつ、乙女の腹、殴りやがったな!
絶対後で倍返し!!
文句が頭のなかをグルグルまわったけれど、それが口から飛び出す前に、私は意識を失った……。
梓、すーぱーピンチです。
えーと。
なんなの?この状況は。
「高宮さん。僕たちみんな、君のファンなんだ」
え~と。
ファンて、つまり私に好意を持っているということよね?
「アンタらは好きな相手を取り囲んで、集団で迫るわけ?」
残り少ない授業を真面目に受けに来たってのに。
なぜか私は知らない男子達に呼び止められて、裏庭で囲まれていた。
6〜7人はいるんじゃなかろうか。
いつもならここも人通りが全く無いわけじゃないんだけど、こんな人数で壁を作られていたら、私がここに居るとは気付かないかもしれない。
う~ん。
どうしたもんか。
私はさりげなくバッグの中を探って、愁也が無理矢理持たせた“御守り”を掴む。
スタンガンに催涙スプレー、防犯ブザー。何故か虫除けスプレー。
各種取り揃えてますが。
「……ホントに海外暮らし舐めんなよ」
とりあえず最初に仕掛けてきたやつに、電撃をお見舞いしちゃる。
ぐ、と掴んだ手をバッグから出そうとしたら、後ろにいた男に腕を掴まれた。
「梓ちゃんの攻撃力の高さは有名だからね」
「は~な~せ~!!」
しまった!!
そしてあんたは誰よ!?
知らない男に“梓ちゃん”呼ばわりされる筋合いは無い!
振り返ろうとした私は、その瞬間にお腹に鋭い痛みを感じた。
「……っ!!」
こいつ、乙女の腹、殴りやがったな!
絶対後で倍返し!!
文句が頭のなかをグルグルまわったけれど、それが口から飛び出す前に、私は意識を失った……。