私んちの婚約者
愁也は一言ずつ噛み締めるように、ゆっくりと口を開いた。


「見つめ合って、ドキドキ、ね」


じっと見つめてくるその瞳の妖しさに、私の心臓はドキドキ、どころかドッドッドッと飛び跳ねまくってる。

早死にするかもしれないな、この稼働率。過度な労働を強いてる犯人はコイツだ。


「手を繋いで、胸キュン?」


愁也の大きな男の人の手が、私の指を絡めとって合わされる。
彼の黒い髪がさらりと溢れて、強い瞳が覗く。


「で、梓の言う恋は、次どうするの?」


どうしましょうね?



真っ赤な顔で硬直した私の頬を、愁也の唇が滑る。


「帰ったら、俺が恋の続きを教えてやるよ」



私の耳元で。


彼がゆっくりと
囁いた――。
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