私んちの婚約者
箱を開ければ、そこに銀色のリング。

真ん中に輝くダイヤモンド。


「……これって、婚約指輪?」


私の声、震えてる。
多分、顔赤いし、瞳はいっぱいの涙で潤んでる。

でも、嬉しくて、愛しくて、どうしようもない。

伝わるかな。
伝えたいな。


「愁也……ありがと」


彼はいっそう微笑んで。



「でもお預け。
……また他の男に迫られてたから」

パタンと私の目の前で箱を閉じた。

えぇえーっ!!!

「カイ兄なんてただのエロオヤジじゃん!!ノーカウントだよ!
もしかしたらセクハラの星から来た地球外生命体かもしれないし!なんならNASAに通報したらいいよ!!」

私の必死の叫び声に、扉の向こうからカイ兄が怒鳴る。

「てめ、梓、聞こえてんぞコラ!しまいにゃ犯すぞ!」

ほらあ、もう宇宙規模のヤバさだもん!

愁也は面白そうに笑っていたけど、私を見て意地悪に言う。


「じゃあ、奪ってみせてね?……色仕掛けで」


ああ、なんてこと。

「……ドアの外にカイ兄居るけど」

「うん。だから、声、我慢しろよ?」


カイ兄より優雅に、お上品に笑っても、愁也もやっぱり変態だ。

でもそんな彼の婚約者な私も、大概変なんだろうな。


私は愁也を色仕掛けで落とすべく、彼にキスをした―――。
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