愛されオーラに包まれて
アトラクションはどれも長蛇の列。
2時間待ちは当たり前。

それでも、並んでいる間に交わす会話や、沈黙の間でも手を繋いでいられる感触や体温のどれもが嬉しくて、私の誕生日祝いみたいだった。

でも若干恥ずかしかったのが、列に並んでいる最中、泰河は私の腰に手を回して密着するような格好を時折してくること。

そんな甘すぎる雰囲気は、今朝車に乗る前からずっと。
なぜなら、その前日の土曜日から私達は泰河の家でずーっと愛し合っていたから。

『明日は出掛けるからきっとこういうことできないし、遥香を感じておきたい』

だって。

その延長で、ずーっと泰河はこんな調子。
ほら、だから列に並んでいる今も耳元で囁くの。

『ここには沢山の女の子がいるけど、遥香が一番可愛い』

・・・よくぞ、そんなことを羞恥心もなく平気で言えるな、と感心するけど、言葉にしてもらえる泰河の囁きは、私をより一層"泰河にゾッコンな女の子"として堕ちるには十分だった。

夜はパーク内にあるホテルのレストランでのディナー。

調度品が並び、パークでの先程の喧騒が嘘のような静けさだ。

そこで、私は泰河にプレゼントを渡す。
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