愛されオーラに包まれて
大学の時、株トレーダーやってたって言うから、てっきりインドアだと思ったのに。

グアムに行った時のマリンスポーツといい、今日のテニスといい、イメージと大分違う泰河だから、また…惚れ直しちゃった。
隣のコートで、現役の学生と思われる女の子たちが見てたし。

やっぱり、普通の女の子なら、黙ってないよね。
私、やる側じゃなくて見てる側になりたかったもん。

泰河に左右に振り回されて、ボールを返すのがやっとだったから、ちゃんと泰河の姿を見る余裕がなかった。

着替えて、車に乗る。

『お前の大学ならシャワールームとかありそうだけど、ここにはそんなのないからさ、早く帰ろう』

と、言いつつ向かうのは、泰河の家よりもさらに距離がある私のアパート。

本気で泊まる気なんだね。

途中のスーパーで食材を買い、帰宅。

「先にシャワー浴びてきなよ」
『ダメ、一緒に浴びよ』
「えー、狭いよ」
『遥香が嫌がるくらいに引っ付いていろと言う上司からの指示だから』

そう言うと泰河はイタズラっぽく笑った。

もう、局長…恨むよ。
私は大丈夫なのに。

由依のことは、諦めます。
歩み寄れないことがよく分かったから。
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