愛されオーラに包まれて
『遥香とは、小学校から実は一緒でした。でも、全く同じクラスになることがなくて、初めて同じクラスになったのが、中学三年生の時でした。そこで初めて話して…前から、遥香は男女問わず、みんなの憧れだったんです。ですから接点がなくても、私は遥香のことを知っていました』

高松は容姿端麗、生徒会の会長もやり、テニス部の主将でエース。学年トップの成績…

おまけにそれらに奢ることのない誰にでもフラットに付き合える社交性や誰にも優しい性格。

聞いてると、非の打ち所がない。

『私、友達なんていらないとずっと思っていたのですが、どうしても遥香とは仲良くなりたくて、必死に勉強して群馬第一高校に入ったんです』

群馬第一高校。
群馬県下の進学校。

高松たちの中学からその年に進学したのは女子では高松と神戸さんだけだった。
そんな環境からふたりが仲良くなるまでには、高校入学からさほど時間はかからなかった。

神戸さんは高松に合わせて硬式テニス部に入り、必死に練習をしていた。
そして、高松とダブルスを組めるまでになった。

しかし、高松からも聞いていたが、神戸さんはわかば堂書店でのバイトもやっており、部活との両立は、困難を極めた。
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