愛されオーラに包まれて
『あの、私・・・』
「高松はそんな君の評判を見聞きして、雲の上の人だと言っているんだ。十分誇りを持っていいと、俺は思う」

そう俺が玲奈の言葉に補足した時、

"コンコン"―

教室のドアをノックする音がした。

「どうぞ」

俺達が借りている教室なのに"どうぞ"はおかしいとは思ったが、他に適当な言葉が見つからなかった。

『失礼します』

入ってきたのは、俺がお願いしていた先生。

「紹介します。群馬第一高校社会科教諭でテニス部の顧問、弓削猛(ユゲタケシ)先生だ」

全員が一礼した。

高松と神戸さんは懐かく感じたのか、驚きながらも笑顔になった。

『お久しぶりです』
『お元気ですか?』
『高松、神戸、元気そうだけど、少し化粧が厚くないか?』
『え、そうですか?』

高松が両頬を手で押さえる。

『ウソだよ』
『相変わらずですね、先生』

神戸さんも少し和んだようだ。

「今日、弓削先生に来ていただいたのは、高松と神戸さんのテニス部時代の話の真相を語ってもらうためだ」
『語るって、そんな大げさなものではないぞ、健吾』

俺のことを弓削先生・・・いや先輩はそう呼ぶ。
< 205 / 345 >

この作品をシェア

pagetop