愛されオーラに包まれて
◎新しい職場、新しい仕事~side HARUKA~
6月。
私は龍成社本社ビル8F南フロアの秘書室にいる。

入社して、配属されていた営業局は2F北フロアだったので、窓の景色は違うし、そもそも高い。

ここ8F南フロアは、社長、副社長、専務、常務2名の計5名がそれぞれの部屋を構えており、その端のフロアに秘書室所属の社員たちのデスクがある。

構造としては、その役職者たちは、一旦秘書室のフロアを通過しないとそれぞれの部屋には行けないようになっている。

その秘書室のフロアには、秘書室長、秘書統括担当マネージャー、あとはそれぞれの秘書担当だ。

私は前任者がいないので、ある程度のノウハウは教えてもらっても、あとは局長・・・じゃなくて副社長と一緒に作り上げて行くことになる。

そういう意味では面白いし、不安。

社長秘書の泰河の同期・真子さんの存在が救いだ。

まずは朝、秘書室のフロアで挨拶する。

「営業局販売六部から参りました、高松遥香と申します。まだ何も分からない素人ですが、一から頑張ります。よろしくお願いします」

その後、室長がフォローした。

『知っている人もいると思うが、高松さんは来月ご結婚される。もちろん結婚後も続けるがために今回の異動になったわけだが、ミセスが増えると、マネージャーの出番が増えるので、頑張ってくださいね』
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