愛されオーラに包まれて
「私は…先週のあのことによって、桐生さんに…"高松は誰とでも寝る女"と思われるのが、猛烈に嫌なんです。私、そうじゃないのに…さっきのレストランでの話に繋がるんですけど、結局今まで付き合ってきた彼氏は来るもの拒まずだったから、私の体のことなんて考えてもくれず、でも私はその人のことが好きだと信じていたから、痛いのに耐えながら受け入れ続けたんです」

そう。
私は子供。

男性経験はなくはないけど、いい思い出が何一つない。

ただ痛くて、愛された実感がなくて、まるでレイプでもされているんじゃないかという拷問の時間だった。

でも、告白したのは私。
子供の恋愛ごっこのようにはいかないと頭では分かっていても、私の体は拒否していた。

今までは。

桐生さんの言う通りなんだ。
私は中学生レベルの恋愛を望み、でも相手はそれ以上の"大人な関係"を望む。

23歳にこれからなろうとしてるのに、全く精神的に成長していない私。

ところが…

「でも、先週の桐生さんとのあの時は、違ったんです。何と言うか、その…」
『キモチよさそうだったよ』
「そ、そんな、はっきり言わないでください。恥ずかしいのに…」

多分、私の顔は相当赤くなっているはずだ。
そんな私の顔をみて微笑みを浮かべた桐生さん。
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