CHEER!GIRL!


開くドアから数人の乗客が降りて
一歩踏み込んでみる。
中はがらがらで座る席はたくさんある。
向き合うように並ぶ席の中から私は端のほうの席を選び、真新しいスクールバックを膝に置いた。



周りを見渡してみても同じ制服を着てる子はいない。
やっぱり地元は私だけなのかな。
友達、つくれるかなあ。
つくれると、いいなあ。
不安や緊張で心臓がどくん、どくんと飛び跳ねる。


ガタン、ゴトン
電車が肩を揺らしていく。
駅が進むにつれて増えてゆく学生たち。


同じ学校の子かな~?
ふと目に入った数人の女の子たち。
私と同じ制服。
校章の色も私と同じ赤。
一年生だ。



「 高校じゃ絶対彼氏作るんだっ 」

「 あんたなら余裕だよ~ 」

「 私もがんばろっ 」



同じ中学だったのかな?
楽しそうに話す女の子たち。
会話の内容がとぎれとぎれで耳に入ってくるけど
どうしよう、全然話の雰囲気についていけない。



中学は小中一貫だったから
高学年になるにつれて好きな男の子なんてできなくちゃったし。
人数も70人くらいしかいなかったし。
恋話なんて全然しなかった。


彼氏かあ。
ほしくないわけじゃないよ?
むしろ、彼氏いたら幸せだろうなあって思うし、思うんだけど
できないから。
彼氏いない歴15年。



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