不器用男子の告白の仕方。





……何やってんだよ、アイツ。





帰ったんなら仕方ねぇ!勝負は明日に持越しだ!待ってろよ!?と、明日に備え緊張を解そうと向かった体育館に




…長澤は、いた。





ぎこちないフォームから放たれたボールは、リングに弾かれあらぬ方向へと飛んでいく。





…バスケに興味あったのか、アイツ?




「力みすぎ。
もと力ぬいて、関節曲げろよ」



「五十嵐!」




俺が声をかけた瞬間、物凄いスピードで振り向いたアイツが、目を丸くさせる。



…驚いたのはコッチだ。




「何やってんだよ、こんな所で。余裕だな?」



「ま…まぁね。五十嵐よりは頭いいし!」



「うっせー!」




まぁ事実だけどな!!



ボールを拾い上げた長澤の腕から、それを奪い取る俺。





…つーか、勝負は明日じゃなかったのかよ。



こんないきなり…心の準備ってモンが…!!!





パシュッ…




俺の右手から放ったボールが、綺麗にゴールネットを揺らす。





『出遅れんなよ、五十嵐』





室谷の言葉がさっきから頭の中をグルグル回って―――





「…五十嵐こそ、テスト勉強しなくて平気なの?」



「…さぁな。だって俺、それどころじゃねーもん。今」




テストなんかより、よっぽど大事な試合があんだよ。




「なぁ。見つかったわけ?答えは」




これがラストチャンスだからな!!!




もしこれで、まだお前が気付いてないんなら。





――こっちからスタート切ってやる。






「……あのさ。


五十嵐は誰に投票したの?」




「…は?」





しかし長澤から返ってきたのは、




そんなお門違いな質問だった。











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