冷凍保存愛

 道子は小堺のことを1から調べ上げていた。中学時代の友人から話を聞いたり、なんでバイトをしなければならないか、家族構成は妹が一人、両親は一緒に住んでいないことまでつきとめた。

 妹と二人暮らしなために学校の許可を得てアルバイトをしているところまで調べた。


 また、付き合っていた彼女がいたが、最近は全然会っていないということまで調べ上げていた。


 ただ、小堺のことを知っている人に聞く限り、今の小堺とは全く違った人物像が浮き上がってきて、そこが彼女の目下の興味に繋がっている。


 よって、小堺がコーヅの妹を連れ去ってどうこうしようとしているとは考えられないという結果にたどり着いたことを伝えた。


「でね、もう一つ気になったことがあるんだけど」

「何」

「行方不明になってる子、この学校の付近でけっこういる」

「は?」

「隣の高校でも去年一人いなくなった。で、その前は駅の反対側にある高校でも一人。男女どちらもいなくなってる」

「なにそれ怖い」

「しかも、去年はうちの学校でも一人いなくなってる」

「まじで? 怖すぎるんですけど」

「もう少しでなんかしらの尻尾が見えてくるんだけどまだ時間かかりそう」

「道子、さすがだね」

「こんなのに時間かかってるようじゃ私の夢はかなりかなり果てしなく遠いってことだよ」

「ストイックだねえ」



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