冷凍保存愛

 しかし、それからたったの四日後に彼女とパタリと連絡が途切れた。

 自宅へ行ってみてもあたみの両親も何日も娘が帰ってこないことに気が動転していて半狂乱に近いかんじになっていた。

 電話もLINEも繋がらない。

 行きそうな場所をしらみつぶしに調べたけど、なんの手がかりも掴むことができなかった。

 学校の友人にも連絡を求めた。

 SNSにも呼びかけ、あたみの失踪の手掛かりをなんでもいいから教えてくれと掲示した。

 学校にも行かずに町中を走り回って探した。

 朝も夜も関係なく探し回った。

 LINEも毎日毎時間毎分、しつこくて嫌われるくらいたくさん送った。

 しかし一度も返信は返って来なかった。

 電話も無し。

 GPSで調べてもらっても切られているのか居場所は分からなかった。

 頭を整理して一から考えて同じところをぐるぐる回ってもなんの手がかりも得られない。



 警察の捜査も難航し、あたみの失踪からけっこうな時間が経ってもみつからなかった。




 代々木があたみと一緒にキャンプに行くことはとうとう叶わずいつしか季節は秋になろうとしていた。




 代々木はいてもたってもいられず、やり方はわからないものの、独自に失踪の調査を始めることを決意した。



 目頭をぎゅっとおさえ、溢れるものをひたすらにこらえた。



 絶対に見つけてみせる。どういう状態になっていようとも見つけだす。


 そう強く心に決めた。

< 171 / 225 >

この作品をシェア

pagetop