冷凍保存愛
約束した通り、羽都音は昨日と同じ時間に教室に入った。
そこには既にコーヅが来ていて、窓のところにもたれかかるように立っていた。
やっぱりきれい。
教室の入口で見惚れている羽都音にコーヅが気づき、手を挙げてにこっと笑った。
「コーヅ君おはよ。早いね、昨日もこんな時間にいたの?」
「そうだね、いたよ。おはよ」
自分の席を挟んで立っていると、座ったら? と言われて素直に席に座る。
「そうだ、なんでコーヅくんてここにいるの? だってその制服ってここから少し離れたところのだよね」
話のきっかけが見つからないため、自分の気になっていたことをなんの前置きもなく口にしていた。
「そうだね」
「あの、ごめん、なんか、唐突だったよね」
「そうじゃないよ、僕のほうこそごめんね、いきなり今日も会ってくれなんて無理なことお願いして。朝も早いのに」
「そんなことないよ。私も会いたかったから」
言った後で何を口走ったんだ! と顔を赤くし、「いやあのその変な意味とかじゃないからね!」と顔の前で手をぶんぶん振った。