愛を欲しがる優しい獣

休日のせいかノーメイクでTシャツに短パンを履いている佐藤さんは随分リラックスしているように見えて無防備な横顔に胸が高鳴る。

しみじみと思う。

(本当に佐藤さんは俺の彼女になったんだよな……)

「飲まないの?」

一向にコーヒーに手がのびない俺を不思議に思って尋ねる佐藤さんのグラスは既に空になっていた。

これはひょっとするとチャンスなのかもしれない。

「良かったら今からどこかに出掛けない?」

「え?」

「まだ午前中だし時間もあるから、どこか佐藤さんの好きなところに行かない?」

水滴のついたグラスにストローを差し込んで、一気に飲み干す。カラリとグラスの中で氷が踊った。

佐藤さんからの返事は一向になかった。

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