愛を欲しがる優しい獣

「自分は共犯として疑われているのですか?もし、そうだとしたら心外です」

思わず感情的になって反論すると、今まで黙っていた社長が口を開いた。

「君が共犯でないと決定する前に、詳しく調べる必要がある」

事態は俺にとってどんどん悪い方に動いていった。

「しばらく自宅で待機してもらう。次回の出社日は追って連絡する」

デスクの荷物をすべて提出するように言われると、会議室から追い出される。

(やられた……)

今朝セットしたばかりの髪の毛をグシャリと掻きまわす。

……とんだとばっちりだった。

< 175 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop