ストーンメルテッド ~失われた力~
二人は店を出ると、共に歩き始めた。
すると、フェニックスはカゲンに着いて行くかのように背後を飛ぶ。
「それにしても、こんな街がアムールに潜んでいたとは知ら無かった」
「でしょうね。この街角は神と幽霊の間である霊神の者達の住処よ。
姿は幽霊だから彼らは普通の世界では昼間、姿を現す事が出来ないの。だから、この場所を夜の神が作り上げた。
この街角は深夜にしか開かれない場所だから、急がないと次の深夜まで元の場所へは戻れなくなるわ。............急ぐわよ」
そして、二人は急ぎ足で進んで行く。
何処まで進んで行こうとも、所々で霊神達はさ迷っており、あちらこちらに闇の神や薬の神々にとっての便利屋が立ち並んでいた。
歩いて行く内に、いつの間にか二人は元の街に戻っていた。
そこは、噴水広場。
噴水広場は黒い巣の境界である。
深夜の噴水は美しく煌びやかに輝きを放っていた。
その噴水にフェニックスは止まり、水浴びをする。
炎に包まれた体のフェニックスが水浴びをするなんて......カゲンは思わず口を開く。
「おいおい、大丈夫か?」
「いつもやっているわ」
そして、二人は噴水のすぐ近くにあるベンチに座った。
ジュノは膝の上に本と粉の入った小さな瓶を置く。
「ヘルヘイム帝国の神がアムール国に訪れたんだよ。そいつは不自然だと感じて、君に......」
「不自然? ......そうかしら。ヘルヘイム帝国は確かに死者の神達の縄張り。だから、アムールとは縁の無いように感じるかも知れない。だけど、悪い神とは限らないわ。ヘルヘイム帝国へ行ったアムール出身者は結構いるのよ?」
「うーん............何だか............眠たくなって来た」
そう言うと、ジュノはカゲンの肩に寄り添った。
そうして、それが冗談だったかの様に、にやにやとジュノは笑うと立ち上がり再び歩き始めた。
「そういう紛らわしいの辞めろよ」
カゲンはジュノの後を追うかのように歩きながら言った。
「ふふっ」
しかし、結局笑いで誤魔化される始末であった。
すると、フェニックスはカゲンに着いて行くかのように背後を飛ぶ。
「それにしても、こんな街がアムールに潜んでいたとは知ら無かった」
「でしょうね。この街角は神と幽霊の間である霊神の者達の住処よ。
姿は幽霊だから彼らは普通の世界では昼間、姿を現す事が出来ないの。だから、この場所を夜の神が作り上げた。
この街角は深夜にしか開かれない場所だから、急がないと次の深夜まで元の場所へは戻れなくなるわ。............急ぐわよ」
そして、二人は急ぎ足で進んで行く。
何処まで進んで行こうとも、所々で霊神達はさ迷っており、あちらこちらに闇の神や薬の神々にとっての便利屋が立ち並んでいた。
歩いて行く内に、いつの間にか二人は元の街に戻っていた。
そこは、噴水広場。
噴水広場は黒い巣の境界である。
深夜の噴水は美しく煌びやかに輝きを放っていた。
その噴水にフェニックスは止まり、水浴びをする。
炎に包まれた体のフェニックスが水浴びをするなんて......カゲンは思わず口を開く。
「おいおい、大丈夫か?」
「いつもやっているわ」
そして、二人は噴水のすぐ近くにあるベンチに座った。
ジュノは膝の上に本と粉の入った小さな瓶を置く。
「ヘルヘイム帝国の神がアムール国に訪れたんだよ。そいつは不自然だと感じて、君に......」
「不自然? ......そうかしら。ヘルヘイム帝国は確かに死者の神達の縄張り。だから、アムールとは縁の無いように感じるかも知れない。だけど、悪い神とは限らないわ。ヘルヘイム帝国へ行ったアムール出身者は結構いるのよ?」
「うーん............何だか............眠たくなって来た」
そう言うと、ジュノはカゲンの肩に寄り添った。
そうして、それが冗談だったかの様に、にやにやとジュノは笑うと立ち上がり再び歩き始めた。
「そういう紛らわしいの辞めろよ」
カゲンはジュノの後を追うかのように歩きながら言った。
「ふふっ」
しかし、結局笑いで誤魔化される始末であった。