女は強か者、そして秘めるモノ

「他のが見たいですか？」

「・・・まぁ見た事があるのよりはな」

「ハイ！じゃあ。リクエストにお答えして。私頑張ります」

別にリクエストなんかしてねぇ・・・と言いたい言葉をぐっと飲み込んで早々に立ち去ってくれる事を願っていると・・・

コンコンと扉が次の来訪者の訪れを知らせる

「はぁ～い！」

「あ・・・バカ！この・・」

自分の部屋の様に返事をしてドアを元気に開けたその向こう側にいたのは

『・・・あ』

ユイリーだった

気まずそうな顔をする彼女は間違いなく余計な気を使おうとしているに違いなかった

「今、セトと遊んでいたんですよ！ユイリーさんもいかがですか？」

『え？セト、遊んでたの？』

それは意外・・・とでも言いたげに目を真ん丸にした

「遊んでねぇ・・・おれは」

「魔法のリクエストも頂いちゃいましたよ！ユイリーさんもあったら言って下さいね」

「おい！ライルが魚を釣り上げた！見て来い！」

『あ。ハイ・・・！すいません、失礼しました』

至らない話をされるのは勘弁と。部屋から無邪気女を追い出そうとした言葉に先に反応したのはユイリーで、、、

彼女は頭を下げると捕まえる間もなく消えてしまった

「ありゃ？行っちゃった」

「・・・」



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