おとなしくアタシに溺れなさい!
でも、あんたには教えない。


若葉はそう言い、意地悪く笑った。


むかつくぅ…。


凪君が同性愛じゃないとしたら、一体なんだっていうの?


ベッドの中で自信がないとか?


下半身が使えないとか?


さまざまな憶測が頭をかすめる。


深いため息を一つ吐き出した時、若葉のケータイが鳴った。


その着信音に若葉はハッと顔を赤らめ、すぐにケータイを取り出す。


そして、メールを開くと更にふにゃっと表情をくずした。


「昨日の、司会君?」


尋ねると、「佐賀イオリ‐サガ イオリ‐君。自己紹介聞いてなかったの?」と、ちょっと頬を膨らませる若葉。
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