無口なカレとの甘い恋
そういえば、昨日の夕方、伊織君から何回か着信が入っていた。
だけど、海星君と番号交換をしたことに浮かれきったあたしは折り返すのをすっかり忘れていた。
「ご、ご、ごめんね、伊織君!!ちょっと色々あって忙しくて」
「別に謝る必要はないよ。姫子がちゃんと家に帰れたのか心配だっただけだし」
伊織君は柔らかい笑みを浮かべながらあたしの頭を優しく撫でた。
それを見ていた周りの女子がキャーキャーと悲鳴を上げる。
「伊織君にはいつもいつも心配かけっぱなしでごめんね。でもね、これからは大丈夫だよ」
「何が?」
伊織君の手があたしの頭からスッと離れる。
「もう伊織君に頼るのはやめるから。伊織君の妹から卒業するよ」
「なにそれ」
あれ……?
伊織君の顔からさっきまでの優しい笑みが消えていく。