偽りの姫…本気の恋
修二の日常…

今日も桜坂組の朝は早い

俺は春に桐島工業高校を卒業して

桜坂興業の副社長として

毎日忙しく働いている。

ヤクザの世界で桜坂組の

前妻の息子と後妻の息子は有名だろう

浮き沈みの激しい建築業界の仕事では

足かせになってしまっている…

腹違いの弟の維澄は
霧島工業高校の2年生…

あいつが卒業するまで後、一年と半年

それまでには仕事を
起動に乗せてやりたい

維澄にはヤクザの仕事より
こっちの方があっている…

それはウチに来るまでの10年間
普通の家の子として育ったからだろう

家庭環境の差だと思う。

頭がきれて女にモテる

どちらの仕事でもそつなくこなし

なんでも無い顔をして
生きて行くだろうけど…

命に関わる仕事をするのは

母親がいない俺が引き受けるべきだと
二人が来た時から思ってきた…

勿論、誰にも話したことはない

その思いは…

クラブ「「SCORPION」」の姫

千尋に出逢うまで…

命が惜しい…

初めて芽生えた感情だった…




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