。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



「使われたクスリの種類は?何か分かりますか」


響輔が俺たちの前を頭を抱えながらいったりきたり、うろうろしている。


その足取りは苛立ちを表しているように荒々しい。


その足取りをぼんやりと眺めて俺は目を細めた。


「はっきりとは言い切れんけどな、状況から見て恐らく大麻かヘロインやな」


「大麻かヘロイン―――……」


響輔は口の中で復唱して、その種類の名前がいかに危険であるか改めて思い知らされたのか、前髪を乱暴に掻きあげた。


「そのヤクをベースに、何か他の薬を混在させたに違いない。まさに新薬やな。


俺にも全く想像がつかん」


声を低めて、俺は膝の上で眠る朔羅の頭をそっと撫でた。


「問題はそのヤクをスネークはどこで手に入れたか、ですよね」


「最強の殺し屋やで?そんなん闇ルートなんていくらでも持っとるやろ」


俺の言葉に響輔は思い立ったように歩みをぴたりと止め、俺をじっと凝視。


「な、何だよ……」


俺がちょっと顎を引いて響輔を見上げると






「畑中組の裏カジノですよ。あそこはヤクを売買してるって噂だ」






響輔の真剣な黒い目は俺をじっと見据えていた。






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