。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




「か、戒――!」


思わず、運転席を覗き込んでいた戒を呼ぶと


「トランク…開きそうなんだけど……」


あたしは思わぬラッキーハプニング(?)にどう対処していいのか分からずおろおろ。


中途半端に開けたままのトランクの蓋を目配せ。


「マジかよ……」


戒もちょっと驚いて目をまばたきさせると、


「あいつ…開けっ放しかよ。不用心だな」


とちょっと顔を歪めつつも、「でもラッキーだよな」その中身はしっかり調べる気だ。


「サーモグラフィにはここの中は空だったはず。武器なんかの危険はないと思うが―――」


ギッ


あたしと交代して蓋をゆっくり開けようとする。


でもその途中で考えるように目を細めて


「キョウスケお手製のサーモグラフィは鉄と熱の反応は分かるようになってるけどな、


ヒトに対してはその反応を見せないこともあるんだ」


と言い出した。


「何言っちゃってんだよ。


熱を感知するんなら人間だって感知―――……」


言いかけて、戒の言った意味がようやく理解できた。


「熱が無いってことは


し、死体が入ってるかも!って。まさか!!」


そう言ったけど戒の横顔は真剣そのもの。






う、嘘だろ―――――!!










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