。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
幸いにも車内の二人はあたしたちの姿に気づいていない。
のぞき見…じゃないけど、ああ、完全なるデバガメ―――……
大人の情事なんて聞きたくないし!見たくもない!!
何とか逃げられないかと模索していると、戒がケータイを取り出した。
「響輔からドクターに連絡してもらおう。朔羅の具合が悪くなったって。したらあいつだって無視できねぇだろ」
ナイスアイデア戒!!♪
戒がメールを打ってる最中だった。
「…………ぁ…」
アヤメさんの小さな声が聞こえてきて、ギシッ!車体が大きく揺れた。
ビクゥ!
あたしたちは顔を向い合せて、次いで二人して顔を俯かせた。
「ふふっ。せっかちねぇ衛さんは……」
アヤメさんの怪しげな声が聞こえてきて
「う゛ーーー……」
戒が小さく唸って耳を塞ぐ。
「聞きたない。二人のあれこれ」
あたしだって同意見だ。
「こうなったら早く響輔にメール打って……」
戒が真剣にケータイに向き直ったとき
ガー…
予告もなく後部座席のパワーウィンドウが開き、
「え゛!?」
乱れた白衣と黒い髪―――のドクターと真正面から目が合っちまいドクターは間抜けな声。
対するあたしも随分な間抜けだったと思う。
「へ!」
あたしはイケナイ診察中のドクターと彩芽さんを見て硬直。