。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。

*リコSide*



☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆

・☆ リコSide ☆・


響輔さんが指定したファミレスで響輔さんを待つこと10分。あたしはそわそわと落ち着かず、


ドリンクバーでオレンジジュースをもう三杯も飲んじゃった。


考えたら、ちょっと前まであたしと響輔さん、進藤先輩って言う組み合わせで遊び(?)と言うか行動したこともあったから、今更、な感じだけど。


でも、やっぱ昨日の今日だよ!


緊張するよ!


「あたしどんな顔して会えばいいの~!!!」とテーブルに突っ伏して嘆いていると


「いつも通りでいいんじゃん」と進藤先輩はあっけらかん。


あ・の・ね~!!


さっきあたし先輩に恋愛相談して、昨日何があったのか、それも全部話しましたよね!!


それなのに「いつも通りで」なんて、無神経過ぎるよ!


目の前の進藤先輩を睨んでいると


「そんな顔しないでよ~」と先輩は苦笑。


「ホントは俺一人であったこと言えればいいんだけどサ、俺バカだから、頭良いリコちゃんの意見もあった方がいいと思って」


「あたしも頭、良くありません」


とキッパリと言うと


「頭いいじゃ~ん、ろーじょーって難しい言葉知ってたし」


籠城のことね。てかもういいよ、籠城ネタは。


と若干呆れかえってると、


「あ」と進藤先輩が顔を上げ、


「キョウスケの兄貴!こっちっす」と大声で、中腰になって手を大げさにフリフリ。


「兄貴?え……ヤンキー?」と方々からお客の声が聞こえてきて、あたしは違った意味で恥ずかしい。


同じようにキマヅそうに響輔さんが歩いてきて


「その呼び方、何とかなりませんか」と頭痛を堪えるように額に手を置いてる。


「だって兄貴は兄貴ですもーん」と進藤先輩は懲りない。


「金髪くん、何か雰囲気変わりましたね」と響輔さんは進藤先輩をまじまじ。


「ああ、金髪くんじゃなくて、黒髪くんですか」と変な納得。


相変わらずだなぁ、響輔さんのマイペースは。


ズズズと音を立ててオレンジジュースを啜っていると、


「……リコさん、すみませんお待たせして」


と謝ってきた。



進藤先輩―――……


やっぱあたしバカです。


―――最初から気づくべきだった。



『すみませんお待たせして』



には、単なる挨拶以外の意味があったことを―――



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