godlh
休み時間になった。
あゆみは、誰と話をするわけでもなく、自分の席に座り、ただ、流れてゆく雲を眺めていた。
ゆっくりと、ゆっくりと流れる雲を見ていると、自分がこうして過ごしている事自体が、全て夢じゃないか、そんな錯覚さえ覚えた。

その瞬間、リアと梢が、あゆみの横を通った。
「あゆみ。」
いつもなら、こんな声が聞こえてくるはずなのに、何もなく、そのまま通り過ぎていった。
―――なんなの?
現実に引き戻され、あまりの悲しさに、そのまま机に顔を埋め、自分の世界へ墜ちていった。
< 33 / 206 >

この作品をシェア

pagetop