俺の短編小説集
キミとボクのアイスノン

―ザーザー

梅雨が来て
雨空を僕らは喜んだ。
その季節は、もう終わりが近づいてた。


次に来るのは
夏。
暑くて項垂れてしまう
そんな夏が今年もやってくる


―ミーンミン


『あっつー』

『ほんと、あついよー』


暑い暑いと言いながら
冷凍庫をおもむろに開け
取り出したアイスノン。


『そーや。これで涼もっと』


ギューーーー。


アイスノンを強く抱きしめる。


『むー。アイスノンだけ?あたしには?』

『ん?何がなん』

『あたしもぎゅーして』


唇を尖らせて
アイスノンに対抗心。


『ぷっ。お前ぎゅーしたら暑いやん』

『やだー。ぎゅーしてー』

『ほんなら、こーしよー』


ぎゅっ

アイスノンを二人の間に挟む。

『これなら、お前ともぎゅーできるし、冷たくて涼しいやろ?』

『あたしの前にアイスノンが居るのやだけど、これくらいは許してあげる』


暑い夏が始まっても
きっと僕は
笑顔で過ごせるだろう。
アイスノンでわかる、キミの僕への気持ちのおかげで。
夏の始まり、キミとボクのアイスノン。

END
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