オオカミさんと子リスちゃん
次の日から大上さんの言った通り、本当に
電話やメールが途絶えた。


鳴海がぽつりと

「平和だね。
拘束から開放されて。」

と呟いた。


『確かに、平和そのものだ。
でも、何かがもの足らない…。』


そんな枯渇した感情になる。


そんな時、スマホのバイブが振動ので、すぐに
確認する。


「なーんだ。」

ただの携帯会社からの案内だった。


「なーんだって、大上先輩からのメールだと
思ったの?
やっぱり、寂しいんだ。」

からかうように言ってきた。


「べ、別に寂しくないもん。」

「やせ我慢しちゃって。」


今日も、大上さんからの連絡はなかった。


何日かすると、大上さんの着信履歴が
スマホから消えてしまっていた。
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