わすれなぐさ

「りーく、はよーっす」

「おー、はよっ」


私のすぐ真横を男2人が抜き去ってゆく。
その後者の方の声は、イヤホンをつけた私でも間違えたりしない。

1つ歳上、

接点なんてまったくない。

それでも、私の好きな人だった。



イヤホンから流れる最近一番好きな歌、
それは片想いの女の子の気持ちを歌った歌。



      か た お も い
(見てるだけでいい。)(そんなことを思ったのは初めてだった。)


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