ヒマワリ君の甘い嘘
「一緒に暮らしてるみたいだね!」





ん???


わたし今なんて……



「あっ…え、あの……そーゆー意味じゃなくて!!……えっと……」



何キモイこと言ってんの私…!?



「あぁああホラあれだよ!一緒に年越しした気分っていうか!」



「・・・・」




ダメだ……自分でも何言ってんのか全然わかんない……




そもそも一緒に年越しってなんだ………




「くはっ……!」



あぁ、ほら
笑われてしまった…。




「あ、あははは………ゴメン」



私は訳もわからず苦笑い。



「いや、いいな 年越し。楽しそうで」



明るい瞳が細く笑う。




こんな笑顔、みんな知らないんだろうなあ……



そう思うと、心臓が熱くなる。



「ごちそうさまでした」



二人で手を合わせて合唱したあと、日向くんが机の上をきっちり片付けてくれた。




キッチンから戻ってきた日向くんは、カーテンの隙間から差し込む陽だまりに寝転ぶ。



「(あ、ズルい)」



私も入ってみようと近づいたものの、あったかそうな陽だまりはほとんど日向くんに占領されていて、
残っているのは少し冷たいフローリング。




行き場を失った私は、寝ている日向くんの隣にちょこんと座った。




「はー…疲れた」



両手で顔を覆った日向くんが呟く。




「うん、お疲れ様だね」



今日はいろんな事があったもんなあ…




「……小夏も寝れば?」



首だけこちらに向けた日向くんが、掠れた声で言う。



か、かっこいい……



何でだろう……
今、ものすごくきゅんとしてしまった…




「おーい」



無口な私を日向くんは呼ぶ。



「じゃ、じゃあ……」



ジリジリと近づいて、日向くんの真横に腰を下ろす。



いや、さすがに隣で寝れないよ…!!



「何それ」



は、鼻で笑われた…




「__来いって」



「ひゃ…!」




腕を引っ張られ、無理矢理寝転ぶ形にされる。




ちちちちち近い!!!

ものすごく近いよ……!!




足元に当たっている太陽の光が、暖かい。







< 185 / 201 >

この作品をシェア

pagetop