ヒマワリ君の甘い嘘
「おい」
声に反応してピクリと震える身体。
今の声、日向くん、だよね………?
持っている教科書を、さらに深く被る。
「おいっつってんだろ」
え、私に言ってるの!?
チラリと教科書から覗くと、さっきよりさらに怒ったような顔をしている日向くんと目があった。
「お前、あからさますぎ。俺、何もしてねぇだろ」
「えっ…、あの…」
「あー、いや。したか。昨日のは悪かった」
えっ!?えっ!?
凄い一方的に話しかけられてるんだけど…!
「あ、いや…!全然平気、だから!」
何で話しかけてくるの…!?
しかもめちゃめちゃ不機嫌そうな時に…!
「あのー…何か用、ですか…?」
恐る恐る質問してみる。
日向くんは、私から目を逸らすと、チッと舌打ちをした。
「(ひ、ひぃぃ…!)」
「今ペア活動の時間だからだよ。ちゃんと授業聞けっつの」