ヒマワリ君の甘い嘘
記憶と共に

side boy




*






「葵生ー!サッカーするけど混ざるー?」




クラスの友達が大きな声で俺に叫んだ。



中学に入学して三ヶ月。


小学校の時より、俺の身長が10センチくらい伸びた頃。


「んー、俺帰るわ!早く帰んないといけないし!」


それに雨降ってきそうだし。


“まじかよー!じゃーなー!”と、友達が叫んだ声に おー、とだけ返事をして教室を出た。



「お前、ハーフ?」


中学に入学したてのころ散々言われた言葉も、さすがにもう言われなくなって
今は平凡な日々を送っている。


まぁ、まだすれ違う人にはよく見られるけど…



生まれた時から、俺の目は人より明るい色をしていて、昔はそのことで沢山言われた時もあった。

今まであった人の中で、ハーフ?って聞かない奴は居ないし、聞かなくても不思議そうな目で見られる。

そんな事、もう慣れたしどうってことないけど。



たまにちょっとだけ嫌な時もあって、その時はどうしようもなくその場から走って逃げたくなる。


だけど、そんな事はできないし、笑ってその場に居ることしかできなかった。


中学の友達は、最初はみんなそうだったけど、いまは普通に接してくれているし気にならない。



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