ヒマワリ君の甘い嘘


それがただただ嬉しくて。


私の身体が熱いのは、

心臓が早いのは、

胸が痛いのは、


熱のせいじゃないんだ、と理解することが出来た。



きっとクラスのみんなは、こんなにも楽しそうに笑う日向くん、知らない。



“私だけが知っている日向くん”



そう思うと、更に顔が熱くなった。


頭の中にあった、あの記憶が

この目の前に居る日向くんに

ゆっくり、ゆっくり


侵食されていく。



自分でもわからないけど、日向くんの笑った顔はなんだか懐かしくて、

心がポカポカするんだ。


あんなにぶっきらぼうで、
冷たくて、
誰にだって、おんなじ顔をしている日向くんなのに。


昨日も今日も、優しくしてきて


こんなにも私の胸を弾ませる。


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