哀しみの瞳
理恵は、職員の方に、案内されて、園児の居る、広間へ入って行った。
その間、重子は、園長と二人、奥の部屋へ入って行った。何か話し込んでいる様子であった。きっと自分の事を頼んでくれてるのだろうと思った。


お陰で、次の週から、理恵は、まごころ園で、働かせてもらう事となった。



重子は、家へ帰る前に、街の方へ行き、差し当たり、必要なものを、色々と、揃えてくれた。



(重子)
「理恵ちゃん、実はね!私も旦那を、若くに、亡くして、剛ちゃんの母親を、女手一つで育てたんだよ!だから、女が一人で、子供育てるって事が並大抵の苦労じゃない事ぐらい、よーく、分かってるんだよ!しかも、あんたは、こんな知らないとこへ来て暮らすんだから。尚の事、大変!!でもね、これも、何かの縁なんだろうねぇ。人ごととは、思えないんだよ!出来る限りの事はさせておくれよ?私にしてみれば、孫が一人増えたみたいって、嬉しくて仕方ないのよ!」



重子の優しさに、理恵は、何と答えていいのか分からず、涙ぐんでしまった。
いきなり、飛び込んで来た、まったくの他人に、どうして、こんなに優しく出来るのか?

理恵は、たとえ何も出来なくても、ありったけの愛で、重子に、答えてあげなくてはいけないと思った。
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