哀しみの瞳

理恵の戦い

(看護婦)
「吉川さーん。どうぞ!診察室に入ってください」


(理恵)
「はいっ、…おばあちゃんは、そこで待っててください。私一人で大丈夫ですから…」


(重子)
「私も一緒に、入ってあげるよ!」


(理恵)
「いえっ、今日は一人で!!」



〇〇総合病院
産婦人科
担当 小林 稔

(ええっ、男の先生なんだ!ちよっと、いやだなぁ)

(小林)
「はいっ!吉川さん!最終生理からすると…もう4ヶ月になってますよ!本来なら、もうちよっと早くに診せに来ないといけないよ!どうして、おくれたのかな?」


(理恵)
「ああっ、すみません!…ちよっと…」


(小林)
「じゃぁ、まぁ、それは良いとして、少々、詳しく調べないといけないところあるから、二週間後に、もう一度、僕の所に来て下さい。」


(理恵)
「あっ、何か悪い所があるんですか?」



(小林)
「んっ、それは、今すぐには…
それと…この書類?父親の欄が書いてないけど、どうしたのかな?」


(理恵)
「あっ、それは……」



(小林)
「訳あり?って事か?…しかも、君は…18才か?
何を考えてんだか!最近の10代は~」


(理恵)
「そんなんじゃ、ありませんから!
先生が思っておられるような事じゃありません!
私が…私が一人で産むと、決めた事なんです!そんなんじゃ…」



(小林)
「まぁっ、とにかく、二週間後に必ず来て下さい。そういう事で!」
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