哀しみの瞳
剛は最近、少し気になる事がある。


吉川の様子がおかしい!顔色も少し悪い時がある。


この間も、体がふらついて、倒れそうになっていた。
ばあちゃんには、内緒にしておいてって…大した事無いからって、言ってたけど…どうなんだ?


俺には、どうしてやる事も出来ない。
あいつが、秀一を産むまでも、そりゃ、大変だった。女の身体の事は、俺には、まるっきり分からないけど……あんな大変なことを、あいつは、見事に乗り越えた。
秀一は、生意気だが、本当良い子に育てた。


俺は、もういい加減に吉川を、一人の女性として、幸せにしてやりたい!そう思うのは、間違ってるのか?

それに何より理恵の身体の事も気に掛かる!



ある日曜日。ばあちゃんは、秀一を連れて、街まで出掛けていた。(実はばあちゃんが、仕掛けてくれた)


(剛)
「吉川?俺っ、ちよっと話あるんだけど。今、いいか?」


(理恵)
「ええっ、何?改まって、どうしたの?」


(剛)
「今まで、何時言おうか、悩んでたんだけど!…そのぅ、俺が秀一と吉川を守るって、言ったら?」



(理恵)
「はいっ?ええっ!ふっふっふっ、何急に!!」



(剛)
「だからぁ!俺じゃあ、だめかなぁって…」



(理恵)
「それって……どういう意味?」
< 136 / 296 >

この作品をシェア

pagetop