哀しみの瞳
(剛)
「どういうって、だから、そのぅ、男としてっていう意味で…」


(理恵)
「本田君?本田君は、今じゃ、私の大切な友達でしょ?此処まで私を連れて来てくれて…秀一を産む事が出来て、今こうして居られるのも、本田君のお陰だと、思ってるわ!本当に感謝してる。本田君も、私の事、友達以上には、思ってないはずだよ!ただ私に、同情してるだけ!本田君にだってこれから先、どんな素敵な女性と巡り逢うか分かんないんだよ!自分の人生、もっと大切にしないといけないよ!
秀一が、言ってたわよ!剛おじさをは、まだまだ、子供だねって!どういう意味かしらねぇ?」


あのっ!くそがきが……


(剛)
「あーん、もうっ、やっぱりかよ!また、断られると、思ってたけど…やっぱ、俺じゃダメだってことか?」



(理恵)
「本田君の友情は、私は、一生忘れないよ!昔いじめられた事も含めてだけど…」
茶目っ気たっぷりに笑い掛ける。



(剛)
「またぁ、その話か?分かった、分かったよ!吉川は、俺にとっても、大切な女友達だよ!そういう事にしとくしかないか?
じゃあ!友達からの助言!訊けよ。今度、医者に診て貰えよ!暫く検診受けてないだろう?」


(理恵)
「有難うね。でもね、私には、もう一人、今度は、娘が増えたのよ!由理っていうの!まだまだ頑張らないといけないのよ!倒れてなんかいれない!」



(剛)
「何か、また、大変な事、背負ってるみたいだなぁ!でも、ちゃんと自分の身体の事も、気ぃ付けないな!」



この時、もっと強く言って病院へ行かせなかった事を、後に剛は、後悔する事となる。
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