哀しみの瞳
(母 理恵)
「秀一?母さんね、貴方にずっと話さずにいたけど、貴方の父さんのこと……母さんね!若い時、とっても弱虫で臆病者だったの、自分の家庭の事知れば知る程、母さんね父さんとは、しあわせになることが出来なかったの。無理だって、自分で諦めてしまったの。そのせいで、貴方がお腹にいること何も相談もせずに、父さんの前から居なくなってしまったのよ!………その時は、今から思ったら…自分の思いしか、考えれなかった。お腹の子供は、自分一人で産んで育てようって…そうやって、自分勝手な生き方しか、選べなかったの。子供だったのね!母さん。でもね、本当は、私以上に、どれだけ、父さんは、苦しんだのか、哀しんだだろうかって、死ぬ程辛い思いをしたんだろうかって……それ程、父さんは、母さんのこと愛してくれてたのに、母さんそのこと知ってて………その頃の母さんは、どうする事も出来なかったの。秀一?父さんは、悪くないの!父さんのこと、恨んだりしないで!父さんが可哀相過ぎるわ!どれ程、貴方や、私に会いたかったことか……(暫くは、泣いて言葉にならなかった)
父さんは、とても素晴らしい人よ!母さんは父さんと巡り会えたこと、本当にしあわせだと思ってるから、秀一?忘れないで!あと由理のこと、大切にしてあげてね!貴方が守ってやって!約束よ!!!………」



母さん………


俺は、今どうすれば良い?


由理のこと……………
< 239 / 296 >

この作品をシェア

pagetop