哀しみの瞳
ある日の事誠に嫌いなタイプの女子学生が俺に近付いて来た。


「 私、中野 礼子って、言います。よろしくね!」
俺は聞いてませんが…無言…


「貴方の名前は?… 吉川 秀っ君よねっ?」



「はあっ!なんで俺の名前を?」


「毎日、毎日、必ずここに来て、難しい本を広げて、勉強しているの貴方ぐらいだから。ある日、あの本田教授に聞いてみたの!あの学生は?って、そしたら、(ああっ、彼なら、吉川 秀君だって、今時本当に真面目な学生だよ。)っですって!」

「……」


「月曜から金曜までは必ず、時計で測ったかのように、ここへ来るって、教授が感心してらしたわ」


「……」


「ああっ!私も同じ学年で同じく法学部!といっても、私の事なんて、全然知らないわよね?」


「……」(興味もないし、答えたくもない!)

秀はちょうど、一区切りして帰る所だった。黙って帰ろうとした。
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