哀しみの瞳
「主人に聞いたんだけど、理恵ちゃん!大学へ行きたいって、言ってるらしいじゃない?
とんでもない事よねぇ!高校を上げてもらっただけでも、次郎さんに感謝しないといけないのに。 貴女までまさか、理恵ちゃんを大学に、なんて思ってるんじゃないでしょうね?… …」


「………」



「とにかく、あまりに、うちの秀を都合よく、利用しないでちょうだい!あっ、それと、今日此所へ私が来た事、次郎さんには内緒にしておいてね?次郎さんは、何も悪くないんですから。
待子さん!それじゃぁ、私、失礼するわね!」


「あああっ、お義姉さん…お構いもしませんで。
どうも…」




君子が慌てて帰って行った。

待子は情けなさと悔しさで思わず、その場に膝まずいてしまった。

理恵にキチッと、言い聞かせないと。自分の気持ちが治まらないのであった。
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