哀しみの瞳
しあわせって
秀は、理恵の合格を確認し、また仕事に戻った。


とっ、事務所の中へ入った秀は、礼子と所長の総一郎の二人と出会う。


(総一郎)
「おうっ、吉川君、忙しそうだね。何処かへ行ってたのかね?」


(秀)
「ああっ、すみません!悪いとは思ったんですが…ちよっと、あそこの〇〇女子大まで、合格発表を見る為に抜けさせてもらいました」


(礼子……
ええっ、〇〇女子大といえば、去年、吉川君が、うちの面接の後、立ち寄った大学だわ!ってことは……)


「ほぅっ、また、何で、その女子大なんかに、君が?」


「ええっ、大切な人の合格発表だったんで、どうしても、見ておきたかったんです」



「何だって?吉川君っ、大切な人って、君にとってということなのか?」


「勿論です!自分にとって、何よりも替えがたい大切な女性です」


(礼子を思わず見る総一郎)


「礼子っ!吉川君は、こう言っておるぞ。お前は、知っているのか?どうなんだ!」



「いいえ!お父さん。とにかく…もう行きましょう!その話は、後で」

と、総一郎を引っ張るように出ていこうとした。
礼子は、秀の耳元で小さい声で

「そう言えば、昼過ぎに、この前の道路に女の子がぼーとして、立ってたわよ」耳打ちして、帰って行った。



えええっ!!ということは、もしかして理恵は、偶然事務所の前まで、来ていたということか?何てことだ)
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