・約束・2
「えっ?・・・何もないよ」


「何か変だよ? 仕事で何かあっただろ?」

「・・・」

・・・雅紀の前で、話せないよ・・・

「大丈・・・夫、ホントに」


ブワッと涙が溢れてきた。
男2人がポカーンとした顔をして私を見ている。

「ヤダッ・・・私どうしたんだろ」



そんな私の姿を見て、雅也は雅紀に聞いた。

「雅紀、部屋で一人で寝れる?」

「うん。だいじょうぶだよ。
パパ、ママのことイイコイイコしてあげると、げんきになるよ」


「分かった。ありがと雅紀、おやすみ」

「おやすみ」


雅紀がリビングを出たのを確認して、タオルを片手に
傍に来た雅也は、静かに私の隣りに座った。


「・・・雅紀、優しい奴だな。春夏のコトよく分かってる」

そう言って、私の頭をイイコイイコして撫でる。


「ずっと二人きりだったから・・・私が凹むと、すぐ気付いて
慰めてくれるの」


「・・・そっか」


「そーゆうトコ、雅也によく似てるの」

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