危険なアイツと結婚生活
そんなこと、面と向かって言われると恥ずかしい。
顔にぼっと血が上る。
だけど、すごくすごく嬉しかった。
早川さんは少し不機嫌な顔をして、
「あたしも全部好きなのに」
なんて言う。
やっぱり早川さんは本気だ。
あたしがいようがいまいが、蒼を自分のものにしたいんだろう。
「いいですか、戸崎さん?」
早川さんはその白い手を伸ばし、蒼の下顎を撫でる。
そして、思わずたじろぐ蒼を見て、勝ち誇ったように笑った。
「あなたが何と言おうと、あたしは諦めない」
「早川さん!
戸崎さんには奥さんがいるよ?」
そう言う蒼の後輩たちに向かい、
「そんなの関係ない」
不敵な笑みで早川さんは言った。