危険なアイツと結婚生活





そんなこと、面と向かって言われると恥ずかしい。

顔にぼっと血が上る。

だけど、すごくすごく嬉しかった。





早川さんは少し不機嫌な顔をして、




「あたしも全部好きなのに」




なんて言う。

やっぱり早川さんは本気だ。

あたしがいようがいまいが、蒼を自分のものにしたいんだろう。






「いいですか、戸崎さん?」




早川さんはその白い手を伸ばし、蒼の下顎を撫でる。

そして、思わずたじろぐ蒼を見て、勝ち誇ったように笑った。




「あなたが何と言おうと、あたしは諦めない」



「早川さん!

戸崎さんには奥さんがいるよ?」




そう言う蒼の後輩たちに向かい、




「そんなの関係ない」




不敵な笑みで早川さんは言った。




< 200 / 667 >

この作品をシェア

pagetop