危険なアイツと結婚生活
「戸崎さんはどう思う?」
とっさに話題を振られ、慌てて立ち上がるあたし。
机の上の書類が床に落ち、椅子が倒れた。
まずい、あたし、動揺しすぎだ。
「ど……どうって……」
辛うじて発したその声はひどく掠れている。
「だって、戸崎さん、碧の大ファンでしょ?
不倫騒動で早退してから、しばらく仕事に来れなかったし」
「そうですよ。
旦那さんから電話あって、ショックで寝込んでるって」
もちろん、あの騒動のときに電話をしたのは蒼ではない。
きっと、優弥さんだろう。
だけど、あたしはそんな位置付けになってしまったのだ。