危険なアイツと結婚生活





「唯ちゃん、クリスマスケーキ買ってきたよ?」




そう言って大きな袋を差し出す蒼に、




「ちょっと、出てって!」




無神経にも酷いことを言ってしまうあたし。

蒼はあたしを見て、目を大きくした。

そして、泣きそうな顔をする。





「唯ちゃん、まだ落ち込んでるの?」




それどころじゃない!!

蒼のためにもここは言うことを聞いて!!




「ねぇ。そんなんじゃ良くないよ?」



「違うよ!」



「違うじゃない。

唯ちゃんやっぱりおかしい!

話し合おう、ちゃんと」





蒼は何も悪くないのに。

あたしが勝手に劣等感感じていただけなのに。

だけど、蒼は深刻に受け止めてしまっていて。

嫌でも出て行こうとしない。





「唯ちゃん!!」





蒼が再びあたしを呼んだ時……





「あんた……何してんの……」





あたしの後ろから、麻衣子ちゃんがひょっこり顔を出していた。

それを見て、蒼はあんぐり口を開いていた。



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