危険なアイツと結婚生活
小野先生は物静かで知的な人だった。
あたしに分かりやすく、丁寧に説明をしてくれた。
お腹の赤ちゃんは、二人とも元気なこと。
ただ、あたしのお腹が張ってしまっていること。
お腹の張りが続けば、陣痛に繋がる恐れがあること。
現時点では子宮頸管は少し短くなっているが、何とか大丈夫だろうということ。
まずは張り止めの点滴をして、絶対安静で様子を見るということだった。
赤ちゃんを守るためにも、安静で乗り切ろうと心に決めた。
お腹に宿った日から愛しく思っていた。
絶対守るから。
元気な二人を出産する!
「先生、よろしくお願いします」
頭を下げる。
すると、
「大丈夫、戸崎のお子さんですから。
必ず無事に出産しましょう」
そんな優しいことを言ってもらえた。