危険なアイツと結婚生活







あたしは、新しい家のリビングに倒れこんでいた。

そして、吹き抜けの天井を見上げる。

あたしが入院中に蒼が設計して、お金を貯めて建てた自慢の家だ。

だけど、この家をゆっくり堪能する時間なんてなくて。

せっかくの新築が、双子によって汚されていくのを見ることしか出来なかった。





柊は運動神経がいいらしい。

すでに寝返りをしてリビングを横断する。

一方、おっとり系の柚は、そんな柊をぼーっと見ていた。

だけど柚は甘えん坊で。

あたしがいなくなったら泣く泣く。

後追いなんてもっと後だと思っていたのに。

だけど、あたしを求めてくれる柚はすごく可愛くて愛しい。




……そう。

ようやくそう思えてきた。

というより、日に日に気持ちが大きくなってきた。



大切なあたしの子供。

愛しくて仕方がない。




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